青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
*
「はあ?!何で!」
「だーかーらーっうちの監督からの指令なワケ。何回も言わせんな」
「うちらはただ氷室君の応援に来ただけじゃん!」
「それが迷惑だっつってんの」
放課後。
案の定、バスケ部が使用している体育館の前には、氷室目当ての女子生徒でごった返していた。
雅子ちゃんと相談した結果、見学禁止令を再発布することに決定。
そして、ただいま私、バスケ部マネージャーの枝尾鈴佳は見学に来た彼女らを追い返す、という重要な任務に当たっている。
「つか、アンタ二年じゃん。先輩には敬語使えよ」
「アンタらは直接私の先輩じゃないでしょ。どーでもいいから帰って。邪魔」
「超生意気!何コイツ!『女王』とか言われて調子乗ってんの?!」
大半の女子生徒は、私が見学禁止令を告げた時点で大人しく帰った。
が、数人の二年女子と多くの三年女子がいまだ私に物申している。
至極面倒だ。
何を言っても聞きはしない。
「じゃあさ。うちらもマネージャーやる。それなら問題ないでしょ?」
ばーか、問題大アリだっつーの。
何ドヤ顔で言ってんの。
「それは無理。私しかマネージャー出来ないらしいから」
「はあ?バスケ部独り占めかよ!」
「独り占めとか、そーゆーこと考えてる時点でアンタらにマネージャーは無理だよ。やるだけ無駄。居ても邪魔」
「やってみないと分かんないじゃん!」
いや、目に見えて分かるわ。