青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第12章 帰れって
そうだよ、ここは私たちのクラスなんだよ。
なのに、何で私たちが肩身の狭い思いをしなければならないんだ。
「でもさぁ…氷室君と居ると、あの劉君も霞んで見えちゃうね」
「え、何。その劉もイケメンみたいな言い方」
「いや、イケメンでしょ。格好いいじゃん」
「そおー?」
「鈴佳の目が腐ってんだよ」
私は、うーん…と頭を捻る。
まぁ…言われてみればそうかもしれない、多分。
元々、うちのバスケ部はイケメン揃いで校内ではなかなか有名だ。
これまでの人気ランキング暫定一位は多分だけど、福井ちゃん。
劉や紫原もそれに次ぐほど、女子からの人気が高い。
それ故、毎年四月の部活は体育館周りが凄まじいなんてモンじゃない。
ともなれば、今の状況からして今日の放課後はどうなることやら…。
想像もしたくない。
「これは部活も大変そうだね…」
「今から頭が痛いわ」
早急に雅子ちゃんに報告し、見学禁止令を再び出さねばならない。