青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
だが、去年の夏休みの終わりから鈴佳があまり笑わなくなった。
理由は鈴佳の後輩が中学最後の大会で『キセキの世代』の帝光中に惨敗したからだった。
それから、ワタシは鈴佳の中学時代の…『女王』の話を知った。
鈴佳の笑顔の裏にある苦しみを知り、それと同時に「守ってあげないと」とも思った。
その気持ちは、この間の鈴佳の話を聞いてからはより一層強くなった。
「鈴佳をこれ以上困らせたくないアル。鈴佳にはずっと笑ってて欲しいアル」
「劉…」
だから、これでいいんだ。
ワタシが何を言ったのかなんて、鈴佳は知らなくていいんだ。
『鈴佳』
『私はあなたを愛してます』
『ずっと側に居たいと思っています。でも、いつか離れて行くのは私の方…だから、こんな方法でしか伝えられません』
『それでも、ずっとあなたを想っています』
「前邊也。不變、那樣地笑著」
この先も。
変わらず、そんな風に笑ってて。
ワタシは小さく呟いた。