青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
「劉」
鈴佳が行ってしまった後。
その背中を見つめていたワタシに、氷室が声を掛けた。
「お邪魔だったかな?」
「何のことアル」
「今。告白してたんだろう?」
「……」
微笑みながら氷室は言った。
その視線を避けるように、ワタシは目を逸らす。
「でも、いいのかい?鈴佳は何のことだか分かってない様子だったよ?」
「…あれでいいアル」
そう。
あれでいいんだ。
いや、ああするしかないんだ。
「ワタシの気持ちをそのまま伝えたところで、鈴佳が困るだけアル。それに…」
「それに?」
嫌そうな顔を浮かべながらも監督と話してる鈴佳に目を向け、ワタシは小さく息をついた。
「ワタシは氷室と違って留学生アル。いつかは国へ帰らないといけない…だから、これでいいアルよ」
「そっか…」