青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
「あ、着いたみたいだよー」
空き地に着くと、紫原は先に到着していた氷室と劉の元へ駆け寄って行った。
「え?てか、何してんの?」
少し開けた空き地。
既にゴールした部員たちは、そこで思い思いに花火を楽しんでいた。
「監督が用意してくれてたんだ」
隣に立った氷室が説明してくれる。
何でも、三年が空いた時間にでもやろう。と大量に購入していた花火を雅子ちゃんが発見し、この事態に至ったんだとか。
ってことは、三年が余計なことをしてなければ、私たちは肝試しとか言う面倒なことに巻き込まれなかったんじゃ…?
なんて思っても今更仕方ないので、こうなったら楽しんだモン勝ちだ。
「ねぇ、劉!線香花火で勝負しよーよ!」
「またアルか?」
一通り手持ち花火を楽しんだ後、私が劉に言う。
そして、劉が「また」と言うのは、去年の合宿でもやったから。
去年の結果は劉の勝ちで、負けた数だけ私が劉にアイスを奢った。