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青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第3章 キライだ






「鈴佳!待つアル!」


HR終了後、劉に捕まる前に教室を飛び出した。

何だかんだで足の遅い劉は、女の私と互角。

数歩先を逃げる私が有利に見えるが、劉は手足が長いため、腕を伸ばされては捕まってしまう。

私は角を曲がった先にある、空き教室へと逃げ込んだ。


「どこ行ったアル!!鈴佳!」


私がすぐ目の前のこの場所にいることなんて知らない劉は、少しすると、またすぐに走り去っていった。


「ふん、ちょろいちょろい」


劉の足音が完全に聞こえなくなってから、私はその教室を出る。

あとは体育館の前を通らずに裏門から出れば、少し遠回りにはなるが、寮へは帰れる。

残る問題は、鞄の中にある『退部届』をどう提出するか、だ。


「(体育館に行っても無駄だし…明日職員室に持って行こうかな)」


いや、でも。

これ、あの雅子ちゃんは受理してくれんのかな?

あー…ホント憂鬱。


「…ぅわっ」


鞄から出した『退部届』を見ながら歩いていた私は、前方から来た人に気づかずに、正面から衝突。

てか、お前も避けろよ。


「…ったぁ…すいませ…っ」

「あららー?こんなとこで何してんのー?」


顔をあげた私の表情は引き攣った。

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