青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
んで、ゴリラは、「檻の中からゴリラが出てきて学校生活を送ってる!」ともの珍しそうな視線が飛ぶ。
これまた鬱陶しい。
「劉から鈴佳が辞めるって言ってるって聞いたから、わざわざ止めに来たんだろ」
「余計なお世話」
「ホンット可愛くねー奴だな、オイ」
はいはい、私は可愛くない後輩ですよーだ。
ついでに、その可愛くない後輩が居なくなればあなた方の苦労も、劉のお守り役も終わるだから、辞めさせてよね。
「ったく…いいか?部活には来いよ?」
「嫌」
「我が儘言ってんな」
「じゃあアイツ返品してきてよ」
「ダメじゃこりゃ」
何を言っても聞かない、と判断した二人は「やれやれ」と言った様子で、劉に何か言い掛けてから教室を出て行った。
「鈴佳…何かあったの?」
「別にー」
友だちも心配そうにして声を掛けてくるが、この子は私の置かれてる状況を知らない。
というか、話す気すら起きない。
だって、過去の話をしても…同情されるだけなんだから。