青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
*
「ギャハハハハッッ」
バスの中に響き渡る福井ちゃんの笑い声。
声に出して笑っているのはコイツのみだが、他の部員を見渡せば、全員声に出さず肩を震わせている。
「うるさいぞ、福井」
「ギャハッ…す、すんません…ブッ」
「全く…枝尾の遅刻を阻止したことは褒めてやるが、もう少し静かにしろ」
それでも笑い続ける福井ちゃんを雅子ちゃんは呆れた様子で見た。
そして、この笑い狂うコイツに騙された当の本人、私はと言うと、不機嫌極まりない顔で視線は窓の向こう。
ホンット、何なワケ!?
私が遅刻しないように三十分早い時間を言っていた。というならまだ分かるけど、一時間半って何。
心底腹が立つ。
「にしても二人共考えたねー」
「そうじゃろ?これで枝尾がいくら寝坊しようと問題はないからの」
「寝坊なんかしてねーっつーの」
昨日言ったじゃん。
寝ないから寝坊なんて絶対にありえないって。