青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
「……」
現在、六時二十五分。
私はポツンと一人、校門の脇の花壇に腰掛けていた。
五分前にもかかわらず、何故か誰も来ない。
え、何で誰も来ないワケ?
……まさか、置いてかれた?
「いやいやいや…まさか、ね」
そうは言っても、人ひとり通らないシーンとした校門前。
え…嘘、マジ?
いや、でも…去年は待っててくれたし…流石にそれは…。
だが、それから五分経っても十分経っても、いまだ誰も来ない。
流石に慌てた私はポケットから携帯を取り出し、劉に電話を掛けた。
『…んー…鈴佳?…早上好(おはよう)…』
語尾の「アル」もなく中国語で話す、めちゃくちゃ眠そうな声の劉。
「りゅ、劉?今どこにいんの?私のこと置いてったワケ?」
『…は?』
「は?じゃないわ!ちゃんと時間通りに着いたのに、誰も居ないし来ないし…置いてくとか酷すぎ!!」
『ふぁぁ…何言ってるアル』
何って…。
アンタらが私のこと置いてくからじゃん!
私は去年の反省を活かして、寝ずに今日を迎えたというのに!
ちゃんと指定された時間に集合場所に居るのに!
今から合宿先まで一人で来い。とでも言うのか、なんという鬼畜!!
てか、欠伸しながら話すな!!