青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
去年の夏合宿。
私は前日の練習をサボっていたことから合宿の存在自体を忘れていた。
そして当日は寝坊。
起きてみれば大量の不在着信とメールで、漸く合宿の存在を思い出し、慌てて荷物を纏めて集合場所へと向かった。
到着と同時に、雅子ちゃんとアゴリラ、福井ちゃんの三人から監視役の劉と一緒に大目玉を喰らい、一時間遅れでバスへと乗り込んだ。
が、ここで私が合宿用のマネージャー道具を用意していないことに気づき、更に三十分遅れての出発だった。
「監視役のワタシまで怒られたアル」
「寝坊だけは劉でもどーにもできねーからな」
福井ちゃんは不貞腐れる劉を笑うが、その目は笑っていない。
まだ根に持たれてるな、と私は直感で判断した。
「寝坊しちゃうモノは仕方ないじゃん」
「反省してるアルか?」
「してるから今日は練習に来てるんだよ」
いつもならきっと反省しない。
だが、流石に去年の出来事は反省せざるを得ないので、今年はその反省を活かして、こうして前日の練習に顔を出しているのだ。