青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第11章 うぉー?
そう。
今言われた通り、夏休みも残すこと一週間の明日から三日間。
陽泉高校バスケ部は夏合宿だ。
一言で言うと、至極面倒臭い。
「いいか?鈴佳。何があっても明日は寝坊するなよ?」
「福井ちゃんまでうるさいなぁ…」
「お前の普段の行いを見てりゃ、誰だって言いたくなるわ」
福井ちゃんは呆れ顔をして言う。
何とも失礼な。
とでも言ってやりたいが、自覚はあるので反論はしない。
「そうじゃぞ、枝尾。なんせ去年の合宿は初っ端からやらかしたじゃろ」
「?去年の合宿で鈴佳が何かしたんですか?」
オイ、アゴリラ。
わざわざそんな話を引っ張りだしてくるなよ。
この夏から入部した氷室は勿論知るはずもない、部員一同がいまだに頭を悩ませる去年の夏合宿での出来事の内容に首を傾げた。
「どーせまた枝ちんが遅刻したとか、サボったとかじゃないのー?」
「え?いや…流石に合宿でそんなことは…」
「氷室。枝尾を嘗めちゃいかん」
「え?」
「思い出すだけで胃が痛くなるアル」
流石は学年三位の天才、紫原敦君。
ご名答です。