青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
案の定、昼休みになると、ゴリラと福井ちゃんは私のクラスへやってきた。
「枝尾。辞めるとはなんじゃ、辞めるとは」
「んなこと俺らが許すわけねーだろ」
「……」
友だちとお弁当を食べている私に、話しかける二人だが、それすら全無視。
私は心底機嫌が悪いのだ。
一緒にいる友だちですら、今は何も聞かずにその様子を不安そうに見ている。
「枝尾。聞いとんのか」
「聞いてるっつーの」
ゴリラが少し強く言ったことで、私は漸く反応を見せ、二人に目を向けた。
「てか教室に来るのやめて、っていつも言ってるじゃん」
理由は一つ。
クラスが騒がしくなるから。
福井ちゃんは何気にイケメンの部類に入るので、廊下を歩けば「キャー」、教室へ来れば「キャー」、部活の時もギャラリーから「キャー」。
全く持って、鬱陶しい。
まあ、部活の方は雅子ちゃんが「練習にならん」と言って、見学禁止令を出したんだけど。