青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
*
翌日。
私は体育館に顔を出した。
私が体育館に入ってくるなり、部員たちの動きが止まる。
「え、枝尾ぉぉぉおっっ」
「うっさい。近寄んな」
涙を流しながら私に駆け寄ってきたアゴリラを一瞥し、私は通常業務に取り掛かる。
「…辞めねーのか?」
手早くドリンクを作り、タオルを準備していると、福井ちゃんが私の元へ来て言う。
「気が変わった」
「はっ流石は気まぐれ女王様だな……でも、まぁ…安心したわ」
そう言って福井ちゃんは、私の頭を一撫でしてからボールを手に取り、コートへ戻って行く。
だから撫でないで。っていつも言ってんじゃん。