青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
それを聞いた劉は、笑いながら「そーゆー意味じゃないアル」と言う。
「鈴佳は認められたい。と思うばかりで、相手のことを認めてなかったアル」
「え?」
「それを元チームメイトたちも感じていたと思うアルよ」
ワタシだってそうアル。と劉は付け加えた。
私が、皆を認めてなかった?
「鈴佳は自己中アルからなぁ…」
「ちょっと…サラッと悪口挟むの止めてくれません?」
ムッとする私に対して、劉はクスクスと笑う。
「まずは鈴佳がチームを認めることから始めてみるアル」
「認めるって…どーやって…」
「もっと周りを見てみるアル。本当に鈴佳を必要としてる人は沢山居るはずアルよ」
あれ?このセリフ…。
――― 『鈴佳はもっと周りを見なあかん』
今吉さんが言ってたことって…こういうこと?
「鈴佳は一人じゃないアルよ」
劉のその言葉を聞いた瞬間。
私の目に涙がじわじわと浮かんできた。