青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
「わしもお前の退部は反対じゃ。反対っちゅーよりは認められん」
「……」
「俺も岡村に賛成だ。鈴佳の過去を聞いて同情したとかじゃねーぞ?ただ単に…鈴佳自身が辞めたくなさそうだからだ」
福井ちゃんが言った。
私が…?
辞めたくなさそう…?
「鈴佳はワタシが送るアル。二人は先に帰ってていいアルよ」
劉がアゴリラと福井ちゃんに言うと、二人もまた私に背を向けて帰っていった。
「鈴佳。帰ろう」
「うん」
二人の背中を見送った後、劉が私に手を差し伸べる。