• テキストサイズ

青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第10章 奪われた




…ははっ

こんな時まで…藍川と桃井のこと、か…。


「紫原」


やっぱアンタとは分かり合えないや。

ううん。分かり合いたくない。

もう怒ったり反論したりする気力さえもなかった。


「アンタにとっては”たったそれだけ”のモノかもしれない。けどね?私にとっては”かけがえのない”モノだったんだよ」


それを奪われた直接的原因が私だったとしても。

私の弱さ故だったとしても。


「紫原が藍川を大事に思うくらい、私もあのチームが大事だった」


もう戻らない過去。

突き刺さったままの言葉。

大好きな藍川を赤司に獲られたアンタなら…少しは分かるんじゃないの?


「ねぇ…知ってる?アンタらに負けた後、鎌田西出身でバスケ続けてるの…私だけなんだよ」


皆…辞めた。

帝光に負けた後、続ける人なんて誰もいなかった。

翔太と颯太も…去年の夏に電話を一つくれた時に、そう私に告げた。


「だからさ…私ももういいでしょ?」


もう…私も解放してよ。

バスケという名の呪縛からさ。


「…辞めたいなら勝手に辞めればいーじゃん」

「紫原!何言ってるアルか?!」


紫原の突き放すような言い方に、劉は声を荒らげる。

/ 463ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp