青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
どうせなら。
もう一度、示せばいい。私の力を。
『キセキの世代』も『無冠の五将』も…全て倒して、頂点に立てば。
そうすればきっと取り返せる。
「だからもう一度バスケ部に入った」
都心から遠く離れた地。
バスケ部は全国レベルだが、まだそこまで力を着けてはいない。
私は、こうなることが分かっていたかのように…この学校を選んでいた。
「私の力で強くしようと思った」
今度こそあの二人に勝てるように。
「奪われたモノを全て奪い返すって決めた」
これは『女王』のプライド。
「紫原のことも…最初は嫌だったけど。折角の駒なんだから、大いに使わせてもらうつもりだった」
ただ誤算だったのは、私の敵とも言える『キセキの世代』が入部したこと。
それでも目的のためなら手段なんて関係なかった。
「でも…もう限界だって悟ったよ」
一度翼の折れた鳥が、再び空を飛び回ることが出来ないように。
一度その玉座から堕ちた女王が、再びそこに座ることなんて出来はしない。
出来たとしても、誰も着いてこない。
「だからもう辞める。バスケには…もう関わらない。これ以上何も失いたくない」