青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
「その時に雅子ちゃんに出会った」
逃げる私に雅子ちゃんは言った。
『逃げるのか?』
『は?アンタ、誰?』
『教師に向かってアンタとは何だ』
『いったぁ…っっ』
『ふん。確かに周りの言う通り、最強は帝光の藍川と桃井かもしれん。だが、枝尾が劣っているとも私は思わん』
『あのですね?さっきから人の傷口を抉らないでくれませんか?』
『貧弱な女だな』
『……そうですよ。私は藍川と桃井に敗けた…貧弱な敗北者ですよ。強さも何も持ち合わせていない。だから、もうほっといてくれませんか?』
『私にはそうは見えんがな』
『……』
『もう一度、己の強さを証明すればいい。ここには枝尾の強さを証明するに必要な人材が揃っている』
どうせ。
逃れられないのなら。