青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
*
「だから、もうバスケには関わらないって決めてた」
遠く離れた土地で過ごそう。
そう思ってこんなとこまでやってきた。
「でもね?私…何となく気づいてたんだ。私はバスケからは逃れられない」
『無冠の五将』世代一のマネージャーとして一度は有名になってしまった私。
バスケ界にその名を残してしまった私。
きっと…どこへ行っても私はまたあの世界に引きずり込まれるんだろう。
そして。
またあの二人に負かされるんだろう。
「案の定。入学式で何も知らない先輩たちに追いかけられたし」
毎日のように逃げた。
先輩たち…と言うよりは、バスケから。