青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第10章 奪われた
もう四年ほど前の話。
鎌田西中学校バスケ部マネージャーの私は、その選手育成才能から、チームにどんどんと力を着けさせていた。
その功績が認められてか、
花宮真。
実渕玲央。
根武谷永吉。
葉山小太郎。
木吉鉄平。
の『五将』と並んで注目され、『女王』と評されていた。
それは…同じチームの選手を差し置いて、月バスに特集されるほどだった。
「すっげぇな、枝尾。特集されてんじゃん」
「選手の俺ら差し置いて…流石は『女王』様、だな」
「もう…やめてよ」
『五将』の彼らと共に特集の組まれた月バスを机の上に広げ、当時のチームメイトたちは言う。
照れ臭さもあった私は、恥ずかしくてそんなことを言っていたが、認められたことは凄く嬉しかった。
「…でもさ。私がこうして居られるのも、皆のお蔭だと思ってるんだよ」
本心だった。