青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
思わず私は氷室の顔を見た。
「俺には弟が居たんだ。あ、ちなみに血は繋がってないよ?言葉で言い表すのは難しいんだけど…友だち以上家族未満ってとこかな」
「……」
…正直、どうでもいい。
そんな思いが顔に出ていたのか、氷室はクスッと笑う。
「まあ聞いてくれ。その弟とは向こうに居た時に出会ったんだ。アイツも親の都合で渡米していてなかなか友だちができないって悩んでた時だった」
氷室は首に下がっているリングを触りながら話す。
「それで俺はアイツをバスケに誘ったんだ。元々センスがある奴でね…どんどん上達していったんだ……先に始めていた俺よりも」
「!」
似てる。
私と同じ。
そう感じた。
「そ…だったんだ…ね。うん…私と氷室は似てるかも…しんない…」
私は小さく呟く。
それと同時に私は下を俯いた。
「嫌だよねぇ…ホント。どれだけ恨んだって何も変わんないのにさ…行き場のないこの感情は…どこにぶつけたらいいのかさえも分かんない」
「そうだね」
氷室も同じ悩みを抱えていたんだ。