青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
わあっと盛り上がってる中、私の隣に腰を下ろしたのは氷室。
「楽しいワケないじゃん。無理矢理連れてこられたんだから」
「ははっそう言うなよ。皆鈴佳を心配してたんだから」
「心配してんならほっといてよ」
私はフイっと氷室から顔を背けた。
「劉がね…鈴佳は花火が好きだから、こうしたら出てくるんじゃないかって言ったんだよ」
「へぇ…」
氷室の言う通り、私は花火が好きだ。
去年の夏合宿や通常練習の後など、よくバスケ部の面々と花火をした。
劉はそれを覚えていたんだ…。
「アツシも…IHで鈴佳に言ったことを謝りたがってたよ」
その言葉に私の体は硬直する。
まただ…。
また、あの光景が蘇ってしまう。
「…事実なんだから…仕方ないじゃん。私だって…もし私が選手なら、こんな奴より藍川を取るよ」
同じチームだろうと、どれだけ信頼を築いてようと…あれだけ資質を持ったマネージャーが居れば、誰だって迷うことなくあちらを取る。
桃井だって同様だ。
「鈴佳と俺は似てるかもしれないな」
いつか紫原に言われたことと同じ言葉。