青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
シューっと音をたてて光を放つ花火。
いまだこの状況に納得できない私は、ただそれを無表情に見ていた。
「紫原!こっちに向けるなアル!アゴリラに向けろアル!そのままケツアゴ焼き払うアル!」
「えーっと…こっちー?」
「コラ!花火を人に向けるな!」
「人じゃないアル」
また始まったよ、このコント。
いつもなら一緒になって笑ってたかもしれないが、今はそうもいかないのが正直な心情。
「ねーねー俺これやりたーい」
「お、いいな!岡村ーこれに火つけろー」
そんな私を置いて、紫原は吹き出し花火をいくつか手に持って言う。
福井ちゃんに言われたアゴリラは楽しそうな顔を浮かべながら火をつけた。
「楽しんでるかい?」
氷室に渡された最初の一本以来、皆の輪の中に入るのも嫌で、私はベンチに座ってその様子を見ていた。