青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
渋々ながらも、私は氷室から下りてそれを履いた。
「んじゃ、花火すっか!」
「ちょっと待て」
さも当たり前かのように言った福井ちゃんを私は止める。
「あ?何だよ」
「何だよ。じゃねーわ」
何で花火?
てか何で私ここに居んの?
「皆して何なワケ?何で私ここに連れてこられたの?」
不機嫌極まりない顔で言った。
そりゃそうだ。
練習に顔を出さなかったことは悪いと思ってる。
けど、今はそれどころじゃないし…そもそもバスケ部の顔、特に紫原の顔なんざ見たくもない。
「こうでもしねーと鈴佳出てこねーだろ?」
「は?」
「いいから早く始めるアル」
「え?」
戸惑う私を無視して、五人は影に隠していた花火セットを出して花火大会を始めてしまった。
「はい、鈴佳はこれ」
「え…あ、うん」
氷室に渡された手持ち花火を受け取ると、氷室はそのまま火をつける。