青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
電話でもメールでもしたらいいのに…あ、電源切ってるんだった。
「はぁ…作戦Bに切り替えるアル。紫原、ちょっと踏ん張るアルよ」
「んー。りょーかーい」
「は?作戦Bって……え、ちょっ…」
そう言うと、劉は私の腕を引っ張り、窓の外へ私を引きずり出す。
「あ、あ、あ、危ないから…っ!ちょっ…ちょっとぉおっっ」
私が危ないのは勿論だが、劉と紫原も危ない。
バランスを崩して落ちたらどうするつもりなのか。
「氷室。パスアル」
「え…?は?!え?!」
端からそのつもりだったのか、私の体が半分ほど出たところで、劉は私を下に向かって軽々と投げた。
な、な、な、投げただと!?
ここがいくら二階だと言っても、怪我くらいは当然するわ!
アンタの頭はどうなってるワケ!?
急降下しながら視界に映る地面が大きくなっていき、私はギュッと目を瞑る。
「(ああ、私の人生もここまでか…せめて秋田でなかなか有名なあの温泉に入りたかった…)」
人間、土壇場になるとどうでもいいことばっか頭に思い浮かぶんだな…。
そんなことを思っていると、私の体は僅かな衝撃を受けるも全く痛みもなく止まった。
「ナイスキャッチじゃ、氷室!」
ナイス?は?氷室?