青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
そんなことを考えていると、部屋の窓がコンコンとノックされた。
…窓?
「え…何で…」
私が住んでいるのは二階。
ノックされること自体おかしい。
鳥でもぶつかったのか、と思いきやまたもや規則正しいリズムでコンコンと鳴る。
…幽霊?
「いやいやいや…それはないわ」
私は一人で言いながら、顔の前でブンブンと手を振る。
まだほんのり明るいし、こんなとこに出るワケ…。
― コンコン
「……」
え、マジ?
幽霊かもしれない、と言うのに、この音源を確かめたくなるのが人間の性と言うもので…。
見なければいいのに…と思っても気になってしまう。
何より、幽霊が出るかもしれないこの部屋であと一年半も過ごすのは嫌だ。
私はゆっくりと近づき、窓をそっと開けた。
「……」
何も…ない?
いや、これは…マジなやつかもしんない。
寮監に言って今すぐ部屋を変えてもらわなければ。
「鈴佳」
そう思ったと同時に聞こえてきた声。