青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
私は今吉さんの言っている意味が全く理解できずに、眉間に皺を寄せた。
『鈴佳の気まぐれなとこも、勝気な性格も…結局は自分を守るためにできたモンやないか』
昔はそんな性格じゃなかったはずやろ。と今吉さんは付け加える。
『ただ…せやな。高校でもマネージャー続けたことだけは褒めたるわ』
「…だから…何が言いたいワケ?」
『要は、マネージャーを辞めなさんな。っちゅーこっちゃ』
その言葉に私は少し伏目がちになる。
『まぁ…わしがここまでゆーたところで、辞めるか辞めんか決めるんは鈴佳自身や。どーしても辞めたいなら辞めればええ。やけどな。その前にお前の中学時代のこと…いっぺん陽泉の連中に話してみたらどうや?』
「私の…?」
思い出したくもない。
そんな話をわざわざ?
『そうや。鈴佳のことやから、わしだけやのぅて誰にも話してへんのやろ?案外スッキリするかもしれへんで?』
「そんなの…するワケ…」
ないじゃん。
この過去だけは…一生私について回るんだから。
『するかせんかは話した後に決めればええやろ』
「……」
『話はここまでや。わしもこの後練習があんねん。…ま、うちはもうWC出場が決まってんねや。待ってんで』
そう言って今吉さんは電話を切った。