青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
それに、アゴリラも何でこの人に話しちゃうかな…。
ゴリラだから人間の知恵でも借りようとしたの?
『せやからゆーたやろ?鈴佳はあの二人を意識しすぎやって。意識しすぎた結果がこれや』
「何が言いたいワケ?」
また説教?
同じことばっか…もう聞き飽きた。
『いっぺん。藍川と桃井を意識せんとやってみぃ?それだけで世界は変わると思うで』
「……」
意識しないで?
そんなの…。
私は唇を強く噛んだ。
「そんなの…できるならとっくの昔にやってるよ」
できないから苦しんじゃん。
辛いんじゃん。
「今吉さんは…知らないからそんなことが言えるんだよ。知らないでしょ?私が中学最後の全中でチームメイトに何て言われたか」
思い出すたびに苦しくなる。
そして。
そのたびにあの二人の影が目の前をちらつく。
「どう足掻いたって…私がマネージャーで居る限り、『あの二人に負ける』って結果はついて回るんだよ」
終わり良ければ総て良し。って言葉があるけれど…。
それは裏を返せば、終わりが悪ければ今までのことは全て水の泡。って意味でもある。