青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
電源を切ってやろう、と携帯の画面を見た私。
その瞬間に私の動きは止まった。
そこに表示されている名前は、今吉翔一。
「……」
何でアンタなのさ。
心の中で呟き、私はそれを取った。
「…はい」
『よぉ、鈴佳。元気なさそうやな』
「用件は?」
『ははっそう急かすなや』
この様子だと、おそらくアゴリラあたりから聞いてるな。
何だかんだで、全国上位常連チームで同学年。ってことで仲いいし。
『準決の後、倒れたらしいな。大丈夫なんか?』
「平気に決まってんじゃん」
『体やのうて、心の方や』
いきなり核心をついてくるあたり、ホント今吉さんらしい。
心の方…か。
「別に。平気だけど?」
大丈夫。私は平気だ。
そう自分に言い聞かせるようにして、今吉さんに言った。
『それなら練習には出んとあかんやろ』
「うるさいなぁ…ほっといてよ」
何で他チームのアンタに言われなきゃいけないワケ。
関係ないじゃん。