青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第9章 ナニコレ
*
その日の夕方。
観光に行った氷室と付き添いの紫原を残して、私たち陽泉高校バスケ部は秋田へ帰った。
IHの結果は3位。
決して悪くない結果ではあるが、私にとってその数字はあまりにも酷すぎた。
― prrr
その二日後。
寮の自室で眠っていると、携帯が鳴り響いた。
着信相手は劉。
出る気にもならず、私はそれを無視した。
暫くすると、音は鳴りやんだ。
「どうせ…部活に来いってことでしょ」
IHから帰ってきた翌日は休みだった。
が、今日からは通常通りの練習。
気まぐれとかじゃなく、今回は本当に行きたくなくて…それどころかマネージャーを本気で辞めたい勢い。
それ故、私は秋田へ帰って来てからずっと自室に引きこもっていた。
今が夏休みで良かった、とつくづく思う。
― prrr
また鳴り出す携帯。
今度は福井ちゃん。
それも無視した。
― prrr
次はアゴリラ
― prrr
「あーもう!うるさいなぁ…っ」
何なの?!
今まで練習をサボってもここまで電話してきたことないでしょ?!