青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第8章 嘗めてる
「試合終了ー!勝者、洛山高校!」
敗けた。
「枝尾」
雅子ちゃんが私の名前を呼ぶ。
「枝尾?聞いているのか?」
聞こえない。
何も…聞こえない、聞きたくない。
敗けた後の言葉は…。
私を責めるモノでしかないんだから。
「鈴佳?」
やめて。
私の名前を呼ばないで。
私を見ないで。
私を責めないで…。
お願いだから。
「鈴佳っっ」
フラフラとした足取りでベンチを離れ、フロアの外へ出た瞬間。
「…ごめ、ん…なさ…っ」
小さく呟いて、私は気を失った。