青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第8章 嘗めてる
……何で私じゃなくて…藍川を信じるの…?
私じゃ…どうやってもあの子たちには…勝てないの…?
――― 『枝尾も…藍川と桃井には敵わねーじゃん』
――― 『結局、お前の実力もその程度だってことだろ』
やめてよ。
思い出したくないんだから。
「枝尾。今日はベンチに入らなくてもいい」
雅子ちゃんは放心状態の私に言う。
いつもならそんなこと絶対言わないのに。
初めてじゃない?こんなこと。
「氷室、すまないが枝尾を…」
「入ります」
「は?」
感情を失った顔のまま、私は言った。
「鈴佳?何を言ってるアル?」
「そうだぜ?んな状態でベンチに入っても…」
「監督もこう言ってくれてるんじゃ。今日はお言葉に甘えさせてもらえ」
「うるさいよ。入るっつってんじゃん」
どうにか止めようとする三人を睨み上げた。