青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
それでも私の気は収まるわけもない。
「『キセキの世代』が何だよ!!調子乗ってんな!!」
やっぱりコイツは嫌いだ。
私がこんなに怒ってる今だって、「何コイツ」みたいな顔で見下ろすだけ。
ホンット、舐めくさってる。
「枝尾、落ち着け。まだダダこねてるのか?」
「こねてない!」
「はぁ…紫原も。枝尾はマネージャーと言っても、お前の一つ上なんだ。言葉遣いには気を付けろ」
雅子ちゃんは盛大な溜め息をつきながら言った。
だが、雅子ちゃんの言葉を聞いた紫原の目が、わずかに見開かれた。
「あー。思い出したー」
紫原が言った瞬間。
私の動きが止まる。
「アンタ…『女王』の枝尾鈴佳でしょー?あの双子がいた鎌田西中の」
ドクン、と心臓が嫌な脈を打つ。
鎌田西中…私の出身校で間違いない。
そして、「あの双子」と言うのは、私の後輩の佐々木翔太と颯太のことだろう。
「そーいえばさっちんが言ってたかもー。『無冠の五将』のマネージャーがここにいるって。でもさ…」
紫原の表情は冷たく、私の顔からも血の気が引いてゆくような感覚。
「今更カンケーなくね?だってアンタ、俺らに負けたんだし。つーか、いくら凄いって騒がれてたって言っても…アンタは藍ちんとさっちんには敵わないっしょー?それでよくまだマネージャー続けようって思ったねー」
「む、紫原!」
「えー?何?」
関係…ない?
敵わない…?