青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
は?何で私まで。
「鈴佳」
「はいはい。ここにいますよ」
なかなか前に出てこない私を急かすように、福井ちゃんまで呼びつけるので、私は致し方なく前…紫原の前に出た。
「こいつが唯一のマネージャー、枝尾じゃ。何かわからん事があったらわしら三人に聞くといい」
「…ねー」
ゴリラが微笑みながら(気持ち悪くて見てられない)、紫原に言うと、彼はそれに返事をすることもなく、私を見下ろしていた。
「アンタ…どっかで見たことあんだけどー。誰だっけ?」
これでも私の身長は168cm。
女子にしては高い方だと思う。
それでも、208cmだと言う紫原の前ではただの小人。
一応先輩だという私を「あんた」呼ばわりするコイツを、私は不機嫌極まりない顔で見上げた。
「はあ?誰に向かって口聞いてんの?」
「オイ…え、枝尾…」
「誰って…アンタだけど?そのくらいもわかんねーのー?」
ブチっと頭の中で何かが切れた音がした。
何なの!?このくっそ生意気な態度!!
「だーかーらー…それが先輩に対する口の利き方か、って言ってんだよ!!」
「鈴佳、落ち着け!!」
「福井ちゃん、止めないでよ!!」
紫原に掴みかかりそうになる私を、福井ちゃんが後ろから抑え込む。