青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第8章 嘗めてる
何よ…それ。
なんか…もう。いいや…。
「…もういいよ」
「鈴佳…」
アンタらは仲間だと思ってたのに。
同じ。奪われた側の人間だと思ってたのに。
そんなに赤司が怖いんだね、藍川が大事なんだね。
私とアンタらは違うんだね。
段々と自分の惨めさに笑えてくる。
「ホンット…何なワケ?皆してさ…そんなに藍川と桃井がいいの?大事なの?じゃあ…私は?『女王』とまで評された私はどうなワケ?」
「鈴佳、もうやめろ」
「何で?ベンチに入ってる私よりも、姿さえ現さない藍川の方が評価されるってどういうことなワケ?自分がベンチに居なくったって勝てますって?嘗めてんの?ベンチに座ってるだけまだ桃井の方が可愛く見えるんだけど…それでも…」
「鈴佳。もういいわ」
気づけば、三人は揃いも揃って、哀れなものを見る目で私を捉えていた。
だけど…その目に映る私は、ホントに哀れな顔をしていた。
「やっぱ私は…『キセキの世代』も藍川も桃井も…心底嫌い。ホント、皆して私のことを嘗めてる」
嫌いだよ。本当に大っ嫌い。
それを庇ってるアンタらだって…嫌いだよ。
「鈴佳。そんなとこに居たアルか」
私を呼ぶ声がして、私は振り向く。
劉だ。