青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第8章 嘗めてる
弱い私なんて、私じゃない。
弱い私は必要とされないんだから。
いつでも。強くあらなければならないんだから。
よし。そう言い聞かせてたら、涙は引っ込んだ。
「あら。鈴佳じゃない」
「え?どこどこ?…あ、ホントだー」
「よぉ、久しぶりだな」
思わず走ってきちゃったけど、どうしようか。
と考えていた時。
聞き覚えのある、三人の声がした。
振り返れば、そこに立っていたのは、洛山のジャージに身を包んだ三人の『無冠の五将』。
実渕玲央、葉山小太郎。根武谷永吉だった。
試合が終わったばかりだからか、三人は汗にまみれていた。
「玲央、小太郎、永吉。久しぶりだね」
「ホントだよー。WCも鈴佳、ベンチに居なかったし」
「どうせまた『気分が乗らない』とか言ってたんだろ?」
永吉の的を射た言葉に、私は苦笑した。