青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
氷室が練習に参加してから驚いたのは、彼の上手さ。
「わーお」
「すっげぇな」
一般的に見れば、バスケット選手として申し分ない身長だが、ここ陽泉ではインサイド三人が2mを超える巨人で固められている。
そのため、もし彼のポジションがFやCであった場合。
可哀想ではあるが、控えにまわってもらうしかない…と思っていた矢先。
運よく氷室のポジションはSG。
しかも。
「シュートが滑らかアル」
流石は本場アメリカにいただけはある。
それに加えて、一度は中学最強PFと謳われた虹村ともやっていた。
上手くないはずがない。
「うちの弱点の克服にも繋がりそうじゃな」
絶対防御を誇る陽泉の弱点はOF。
得点源がないことだった。
だが、それも氷室のシュートを見た者は皆、思う。
「見つけた」と。
「これだけ上手いのにIHには出れないなんて…勿体ないですねぇ」
「已むを得んだろ」
そう言う雅子ちゃんも、どこか惜しい表情を浮かべながら、練習に目をやる。