青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
本当は『女王』の異名になんて拘りはない。
ただ…あの二人にだけは負けたくないんだ、何があっても。
ただ奪われたものを取り返したいだけなんだ。
そのために私はここにいるんだ。と自分自身に言い聞かせる。
「ん?そう言えば、藍川は洛山に居るのか?」
雅子ちゃんは、先程私が言った言葉を思い出しながら問いかける。
「ただの私の推測でしかありませんが、間違いなく藍川は赤司と共に洛山に居ると思われます」
「何故そう思う?」
何故って…。
私は視線を雅子ちゃんに移し、答えた。
「根拠なんてありません。氷室も『藍川は洛山に居る』なんて言ってませんし、洛山に居る『無冠の五将』三人も正直に言ってくれませんでしたし…ですが、紫原の話によると、中学時代の赤司は藍川に最も信頼を寄せていたようです。…何より、紫原は『赤司から藍川を奪いたい』と言っていましたから」
「なるほど…だが、そうだとしても他の『キセキの世代』のところに居る可能性はないのか?」
「無いですね。あの赤司があれほどマネージャーとしての資質を持った藍川をそう簡単に手放すとは思えません」
もしも。
もし私が選手であったならば、帝光の藍川と桃井ほどの資質を持ったマネージャーは、喉から手が出るほど欲しいだろう。
高校バスケ界の頂点に立つには、きっと彼女らの力が必要だと誰もが考えるに違いない。