青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
部員だけではなく、この陽泉高校内自体、私の前での藍川と桃井の話はタブーだ。
理由なんて簡単。
女王様の機嫌が損なわれるから。
「…今更どーでもいいですよ。『女王』なんて肩書も、もはやただの皮肉でしかありませんし」
「すまかった…」
「監督に謝られる方が嫌です」
私が目を合わせずに言うと、雅子ちゃんは少なからず気まずそうな顔をしたように見えた。
そんな雅子ちゃんを横目に、私は練習に視線を戻しながら口を開いた。
「今度のIHが勝負なんですよ…私にとっては」
目前に迫るIH。
私の勝負。
「去年までは高校最強のマネージャーは私でしたけど、今年からは話が異なります。洛山の藍川、桐皇の桃井…そして陽泉の私。この中の誰が高校最強を名乗れるか。必ず私が頂点に返り咲いて見せます…『女王』の名に懸けて」
「……」
雅子ちゃんは小さく「そうか…」と呟いた。