青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
*
それから数日が経ち、あっという間に夏休みに入った。
先日言っていたように、氷室は夏休みに入った途端に、陽泉高校バスケ部に入部し、毎日練習に参加した。
それともう一つ。
ここ最近の部活での紫原の粗ぶり方は尋常ではなく、何かあったんだな。と誰が見ても分かるほどだった。
このままでは、またゴールを壊しかねない…と言うくらいに酷い。
「枝尾。紫原は何かあったのか?」
凄まじい粗ぶり方を見た雅子ちゃんは、眉間に皺を寄せながら私に問う。
「さぁ…多分、ですけど…氷室が原因じゃないんですか?」
「氷室?何かあったのか?」
「はい」
私は氷室から聞いた話や紫原が藍川に好意を抱いていること。
それから…これは単なる憶測にすぎないが、あの後藍川に連絡をして、何かしら気に障ることでも言われたのではないか。
それらを、紫原に聞こえないように雅子ちゃんに話した。
「そうか…藍川が日本に居たことも驚きだが、あの紫原がな…」
「藍川の件については大方予想はしてましたけどね」
「だが、よくここまで己の情報を隠し通せたモンだな。流石の一言に尽き…あ」
「……」
流石の雅子ちゃんも、自分の失言に思わず口を塞ぐ。