青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
すると、その様子を見ていた氷室さんはクスッと笑い、再び私を見る。
「改めまして。俺は氷室辰也だ。ここの生徒になるのは二学期からだけど、部活には夏休みから参加するつもり。よろしく」
「はい、よろしく」
手を差し出され、握手を求められたので、私は面倒ながらもそれに応えるよう手を出す。
が、何故か劉がそれを払う。
………何で。
「ここは日本アル。必要以上に女性に触るのは日本では失礼アル」
「お前が言うなよ」
「お前が日本を語るな」
アゴリラと福井ちゃんがそれぞれ劉に突っ込んだ。
私も同感だ。
「劉ちーん。男の嫉妬は醜いよー?」
「うるさいアル!」
嫉妬って…。
何?劉は私のことがそんなに大好きなわけ?
って、んなわけないか。
間違いなく、大事な女友だちを取られたくないんだろう。
第一。私は誰のモノでもないんだけれども。
「ほら、アツシ。劉をからかうな。劉も一々反応すんなよ」
「すまんな、氷室。この大きいのが劉偉、中国からの留学生じゃ。こっちがうちの部唯一のマネージャー、枝尾鈴佳。二人共お前と同じ二年じゃ」
紫原を睨む劉を福井ちゃんが諌め、その横でアゴリラが後から現れた私と劉の紹介をした。