青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
「お、流石は劉。鈴佳捕まえれたんだな」
「ご飯前アル」
「朝飯前、な」
私を担いだ劉が体育館へ入ると、福井ちゃんがケラケラと笑いながら言った。
笑い事じゃないし…と思っていると、ここで漸く私は下ろされる。
久しぶりに地面に着いたお蔭で、足がジーンとした。
「監督はまだ来とらんからの。セーフじゃぞ」
「何がセーフだよ。元々行くつもりなかったっつーの」
「相変わらずじゃのぉ」
不貞腐れながら私が言うと、アゴリラも笑い出す。
くっ、ゴリラのくせに…!
「あ、そーだ。紹介したい奴がいんだよ。えーっと…」
何か思い出したようにして、福井ちゃんはキョロキョロと体育館内を見渡した。
小さく「あ、居た」と呟いた福井ちゃんの視線の先を辿れば、紫原と…先程のイケメンさん。
「紫原ー!ソイツこっちに連れてこーい!」
「えー…めんどくさぁ…」
「いーから来い!」
渋々、と言ったように、紫原は彼をこちらへ連れてくる。
紫原に連れられてきた彼は、不貞腐れた私を視界に入れるなり、少し驚いた表情を浮かべる。
「君はさっきの…」
「鈴佳。知り合いアルか?」
「別にー」
部活サボって裏門から帰ろうとしてた時に知り合いました。
なんて、口が裂けても言いたくない。てか言えない。