青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第3章 キライだ
「仕方ないじゃん。ちゃんと結果としても出てたんだから。私は藍川と桃井に勝てない」
「「「……」」」
何を嘆いても、結果は変わらない。
中学時代は藍川と桃井のいる帝光に直接負けてるし、その帝光が中学バスケ界の頂に立ったし…あちらは二人いるから、とかそんなんじゃない。
きっと個人でも結果は同じなんだとハッキリわかってる。
私は…あの二人には決して敵わない。
「すまん」
「だからいいって」
「鈴佳…お前、これで『帰る』なんざ、言わねーよな?」
「……」
機嫌を窺うように、珍しく下手に出る福井ちゃん。
「…言わないよ。今のでスッゴイ気分が削がれたけど、今日は特別」
「はぁ…一安心アル。アゴリラ、もう一度謝っとくアル!」
「アゴリラ?!…って、今回はわしが悪いな。枝尾、本当にすまん」
深々と頭を下げるゴリ…岡村さん。
こんなことをやってるから、私は『女王』なんていまだに皮肉として呼ばれてるんだろうな。
「もういいって。ほら、入学式も終わったみたいだし」
「やべ、全員急ぐぞ」
私が立ち上がると、窓からは体育館から出てくる新入生たちが見えた。
福井ちゃんの声で、私たちは体育館へと向かった。