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吸血鬼なんて聞いてないっ!

第2章 ハジメテ



影山

あいつも断らなかったから、
送ることにして
今来た道を引き返す。

あいつの隣を歩くと、
甘い、匂いがした。
ボーっとなるような、
眠気ではないが少し自分の心だけがなくなる感じ。

自分でもわからない。

小さく舌打ちをした。

える「ごめんね。戻らせちゃって。」

自分から言ったことを迷惑だと思うやつがいたら
そいつはおかしいと思う。

影山「気にすんな。暗くなってきたから、どうせ帰る。」

本当のことを言っても、
彼女は気にしているようだった。


くだらない話をしながら、寮へ着いた。
そのさいちゅうも、甘い匂いがして。

おかしい。こんな匂い、するはずがない。
だって、こいつも…。

頭ではわかっていた。

でも、止まらなかった。俺の、ホンノウは

ありがとうございました。
といい、寮の管理棟へ行こうとする手を引いて、
だきしめた。

それと同時に、目を覆わせて見えないようにした。

戸惑いの声を隠せない彼女の
真っ白な首筋に牙を立てた。

える「ああっ…んんっ!」

悲痛の声を上げた。

やっぱり、あの匂いは、血のせいだ。
首筋から、牙を離して
ゴクリと、喉を鳴らす。

酔いそうなほど、甘い。

える「か、げ…ゃま?」

信じられないというかおをしている
それはそうだろう。
同種の血なんて、普通飲んだりしない。

こんなことが起きないように、
気をつけていたが、自分自身驚いている。

彼女は、先程噛んだ場所に触れて、さらに驚く。

そしてそのまま管理棟に走って行った。
そんなに血は吸っていないから、
走れるとしても危ないと思った。

そうは思っても、身体が動くことはなかった。



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