第6章 距離感
える
机に伏せたまま目覚めた朝。
顔を上げると、窓の外では太陽がキラキラと輝いていた。
遅くまで読んでいた本を棚に戻す。
昨日京谷さんが戻った後、まだ寝るには早い時間だったため、
本を読み始めて読み終えた頃には
ベッドまで行くのが面倒になり結局そのまま寝てしまった。
硬い場所に、うつ伏せになって寝ていたから、少し痛い。
んっ、と体を伸ばすと、パキッと関節が鳴る音がした。
洗面台に向かって、身なりを整え 制服に着替える。
ここでの食事は、大体みんな広間に来て、
各自同じ物をを食べるらしい。
これはきっとコミニュケーションの一つなんだろう
7:15 朝食
広間に向かうと、揃っているメンバーのほとんどが三年生だ。
える「おはようございます」
及「おはよう。えるは、頭痛くないの?」
表情が苦しい皆さんは、昨日のゲーム参加者だ。
える「まぁ、はい。」
花「そういやお前、いつ部屋に戻ったんだ?起きたらいなかったし。」
起きたらいなかった、という事は
昨日は及川さんの部屋で雑魚寝だったのかもしれない。
返答に困って京谷さんをチラリと見ると、
こちらの話には耳を傾けてはいないらしい。
える「寝ぼけて出てっちゃったんだと思います。私も、昨日の事よく覚えてなくて…」
少しだけ、苦笑いする様に笑った。
花「そうか、そっちの方が良かった。」
なんの疑いもなく笑顔で応えてくれた。
そして、ご飯を置いてくれる。
あぁ、お母さんみたい。