第10章 変化
える
まずは、食堂かな。
思いつかなかった他に。
3日ほどなにも入ってなかった身体は、
痩せたというほどでもない。
でも、ない代わりに空気がたくさん入っているようで、
少しだけ不思議だった。
いつもなら片手で開くドアを両手で思い切り押す。
開けっ!
思ったより軽かった。
ちょっとだけ前のめりになりながら慌てる。
キッチンを覗いて今朝の朝ごはんを見る。
カレーだった。
小学校の給食室にあるみたいなのの、
ちょっと小さくしたバージョン。
この量から見て、大量に作って作りおきにしたのか?
でも、流石に三日間朝昼カレーな訳ないよね。
うん、きっとそうだ。
でも、今日はカレーかな。
だいぶあるし、夜はきっとそれだろう。
さて、自分の分だ。
何かないかな、と冷蔵庫を開けると
ラップをかけられたおにぎり3つ。
その下にはまたメモが。
見つけたね、える。
ほんと……
食い意地しかないんじゃない?
なんとなく、 今日の気がしたから
食べてもいいよ。
冷たいだろうから、ちゃんとチンして。
固すぎない丁寧な字。
誰かなんて書かれてない。
でも……。
言葉は伝えれないけど、気持ちが届けばいい。
冷蔵庫から取り出したそれを大事に食べた。
ありがとうと、いただきます。
ありがとうと、ご馳走様でした。