第2章 風見颯ーカケルー
「静香ちゃん、まだ残ってたの?」
あれ?まだ…って!時計みたら結構時間経ってた。
「本当だ。気づかなかったよ」
「集中しすぎだよ」
そう言って笑ったのは、風見颯。
同い年とは思えないくらい落ち着いていて、
ステージでもテンションは高くない。
年上に見えたり、時には年下に見えたり、不思議な感じ。
でも、隣にいて自然体でいられるから、安心する存在かな。
「最近、グッズも良く売れるから、補充やチェックがね」
「ご苦労さま。いつもありがとう」
「いえいえ、こちらこそ」
普段とステージでの差があまりないのも、カケル君の魅力の一つかな。
「明日も学校とステージでしょ?早く帰って休んだら?」
メンバーの体調管理も仕事のうち!
「何言ってるの。静香ちゃんだって学校でしょ」
カケル君が呆れて笑う。
「そうだけど、みんなよりは大変じゃないよ」
「手伝うよ。一緒に帰ろう」
私が手にしていたものに、そっと手を伸ばすカケル君。
「ありがとう、さくっと終わらせちゃおう!」
二人で手際よく仕事を終わらせた。