第4章 幼馴染み
めぐみside
土曜日は本当は、研究日。大学での実験研究を、教授や准教授が自由に行える日だ。
その使い方は人それぞれだけれど、私は年明けからジェームス教授が行なう新たな研究の参考論文を自宅で読んでいた。
だけど論文の中身が思うように頭に入ってこない。
つい、忠のことばかり考えてしまう。
そう言えば、今日休みって、蛍からLINEが入ってたっけ…
蛍だって気にしてる。
あの日以来、蛍と直接は会えていない。
でも、毎日ちゃんとLINEが届く。
教えた日は、もう、覚えてないけど……
たぶん、、2〜3年前くらいだったような…
数日前までは、ちゃんと登録されてるのかすら不安に思えていたのに。
【いま、なにしてる?】
【仕事お疲れ様。】
【今日も寒いけど、腹出して寝ないようにね。】
なんてことない内容でも、今は、ちゃんと帰ってくる。
蛍と繋がれる幸せを感じる。
だけど、、やっぱり、、
10年間、届き続けていた…
明るくて、元気で、、でもたまに物凄く暗かったり…
そんな…キミとのメールやLINEも、私には大切なモノだったのに。
この世にたった2人しか居ない、大事な心友なのに…
どうして、もっと早く…
素直になれなかったのかな…?
そうすれば、今頃、3人で…
またあの頃のように笑うことが、出来たのかな…?
それとも……
男女の友情は、大人になると、
もう…成立しないのだろうか?
溢れる涙を拭いて、蛍に電話する。
もしそうだとしても…
私はやっぱり、もう一度忠に会いたい。
謝りたい。
心友でいたい。
きっと、蛍だって……