第2章 再会
山口side
「あっ……」
ほんの一瞬の出来事だった。
ツッキーが、めぐみのもとへとまるでなにかに吸い寄せられるかのように歩いていって、めぐみを背後から思い切り抱き締めている。
「…………」
ツッキーがめぐみを好きだとわかっていても、めぐみはそうだとは限らない。
それは、俺の浅はかな希望だった…。
沈黙が流れる。
突然のことで、どうしたらいいのかわからないケド、
めぐみは、俺の彼女だ。
それなのに……。
苦しそうな顔で、めぐみの肩に俯いているツッキーが、あまりに苦しそうで、、
俺は思わず、リビングをあとにした。
「…あんな顔のツッキー、初めて見たなぁ……」
自分も当事者であるはずなのに、なんだか蚊帳の外な気がした。
いま、ふたりの間に流れている時間は、一緒に暮らしていても、キスのひとつすらできなかった俺とめぐみの、この3ケ月よりも、なんだかとっても濃いものに思えて…
なんだかそれが、
とてつもなく、
悔しかった。