第11章 ポケットの中は【赤葦京治】
「あ……」
試合中に京治くんがもらした声。
それと同時に床に落ちるボール。
“しょぼくれモード”の主将の木兎さん。
木兎のコレは梟谷の名物…お決まりなのかもしれない。
しかし、木兎さんが戦意消失でもカバー出来るのはウチの強み。
「木兎さん!」
それも副主将の京治くんがいるからかも知れない。
京治くんとのアイコンタクトで一斉に木兎さんを褒め上げる。
「キャー木兎サンカッコイイ~」
棒読みで私は木兎さんを褒めた。
「やっぱ?」
「木兎さんお世辞ですから」
「えっ!?そうなの!?」
当たり前です。
私には京治くんという彼氏がいるんですから!
全ての試合が終わり、片付けが済むと外でバーベキューが始まった。
烏野や森然のマネージャーさんたちと野菜を切ったり準備をしていた。
「美咲さんこれ運べばいいですか?」
「京治くんありがとう」
京治くんだけでなく菅原さんや夜久さん…所謂お母さん組が手伝ってくれたお陰で準備もすぐに終えた。
バーベキューが始まるとお肉の争奪戦が凄かった。
焼かれたお肉は一瞬で消える。
流石は男子高校生。
凄まじい食欲。